お役立ちコラム
2024年04月16日
社内活性化のための新しい社内レクリエーション 「eスポーツ」のススメ(前編)
「若手社員が社内のイベントに参加してくれない」「飲み会が減って社内の親睦を深める機会も減ってきている」そんな悩みを抱えている役員や総務部、チームリーダーが多いのではないでしょうか。また一方で、「先輩たちと交流したいけど、どうやって絡めばよいかわからない」と悩む若手社員も、実は多いのかもしれません。特にそうした声がハイブリッドワークを推進する企業から多く聞かれるようになってきました。
そこで、年齢や体力の差に関係なく上下関係も気にしなくていい、まったく新しい社内レクリエーション(以下略:社内レク)を求めて、東京・秋葉原にある交流施設「eXeField AKIBA(エグゼフィールド アキバ)」で、eスポーツを体験してきました。ここは、NTTグループの株式会社NTTe-Sports(以下略:NTTe-Sports社)が運営する施設で、担当者に聞けば、eスポーツイベントを社内レクとして開催したいといった相談が日を追って増えているといいます。私たち自身、「eスポーツって何するの?」「eスポーツが社内交流に有効なの?」など疑問だらけでしたが、ゲーム初心者を体験メンバーに加えて、モノは試しとチャレンジすることに。若手社員ではない中堅社員も参加して楽しめるのか、リモートワークのメンバーとも交流できるのか、今回は初めてのeスポーツ体験をリポートします。
■株式会社NTTe-Sports■ https://www.ntte-sports.co.jp/
eスポーツって楽しい!
NTTe-Sports社からは初心者向けの指南役兼プレイヤーとして苦瀬氏が参加、私たちはゲーム初心者を交えた2名が会場で、さらに自宅など遠隔から2名が参加し、計5名のメンバーで、5対5のチーム戦に挑むことになりました。
オンライン対戦として選択したのは、全世界に多数のプレイヤーがいる有名な点取りゲーム。かわいいキャラクターの動きとは裏腹に、ドッカンドッカンと技を繰り出しながら得点を競い合う時間制限のタイムバトルです。このeスポーツをプレイする下準備として、私たちは自分所有のスマホに対象のアプリをダウンロードしました。この「参加しやすい」点は、まず高評価といってよいでしょう。さぁ、ここからは社内レクとしてどのように進行していったのか、実況形式でお伝えします。
[初心者はゲームの内容とプレイ方法などの説明を最初に聞いてから始めたい]
※ゲーム画面は都合により画像処理を施しています。
STEP1:コミュニケーションを取りながらルールや操作を学ぶ
まずは社内レクでプレイするeスポーツについて、詳しい人の説明をみんなで聞きましょう。勝敗が何で決まるのか、どう動かせばいいのかなど初心者にとっては分からないことばかりです。ここでは指南役の苦瀬氏に、どんどん質問を投げかけました。事前のチュートリアル(自主訓練)を済ませてきたという経験者も、積極的に質問します。
参加者:移動をどうやるのかわからなくて不安です…
苦瀬氏:口で説明しても分かりづらいですよね。では実際に動かしてみましょう!
参加者:オンラインで協力するときはどうやって連携するの?
苦瀬氏:オンライン用のコミュニケーションツールを使います!
[対戦する前に、ゲームのルールや操作方法について学ぶ時間を設けよう]
※ゲーム画面は都合により画像処理を施しています。
たくさんの質問が飛び交い、参加者の間でもお互いに教え合う姿が見られました。このようなガイダンスの時点から、社員同士の交流が始まっているのです。
STEP2:みんなで練習をしながら操作に慣れよう!
ルールや操作方法を学んだら、みんなで練習タイムです。いつもの社内での上下関係はここでは通用しません。ゲームタイトルが違えば操作方法も異なるため、自分の分身のキャラクターを動かすためには少しゲーム操作に慣れる必要があります。できれば、上手な人がコーチ役を担い、みんなの様子を見て回ると進行がスムーズです。もちろん、参加者同士で「こんな感じで動かせばよいかな」と話し合いながら試行錯誤するのもよいでしょう。思い通りに動かせるようになるとゲームの面白さが倍増します。これは、仕事も一緒なのではないでしょうか。
[せっかく対戦するなら勝ちにこだわりたいと、みんな真剣]
STEP3:オンライン対戦でチームワークを磨く!
操作に慣れたらいよいよオンライン対戦のスタートです。対戦相手はネットの向こうの任意のチームです。苦瀬氏によると海外でつながっているプレイヤーの可能性もあるそうですが、こちらは胸を借りるつもりで思い切ってぶつかっていきました。相手の顔が見えない分、気楽に挑戦できたのがよかったのかもしれません。
「みんなで助けに行きましょう!」
「この強いキャラクターをみんなで倒しましょう!」
対戦中も声の掛け合いがあり、コミュニケーションが盛んに行われます。相手の邪魔をしつつ、夢中になって得点を重ねていった、その結果は……。
[対戦中は声掛けをしながら自陣に優位な戦略を遂行していく]
※ゲーム画面は都合により画像処理を施しています。
STEP4:対戦後の感想で会話が盛り上がる
10分間のオンライン対戦が終了!なんと!結成したばかりの急造チームですが、見事勝利しました!遠隔から参加したメンバー2人の活躍や、実はやり込んできたというメンバーのアシスト、相手の得点を阻む動きを見せていた初心者の粘り、苦瀬氏の決定力がうまく噛み合っていたようで、対戦後は全員が笑顔になりました。
「初めてのプレイで相手を倒せたのが嬉しかった!」
「みんなで声を出して、情報共有しながら戦えたのがよかった!」
「最初は自分の操作のことで必死だったけど、段々慣れて仲間の動きに併せられた!」
……など、さまざまな感想を出し合い、お互いを褒め合うことができました。
[勝利したこともあってか、参加者みんなの笑顔がほころぶ]
※ゲーム画面は都合により画像処理を施しています。
オンラインのメンバーからは
「チャット機能がうまく使えていて、遠隔でもチームの一体感を感じられました」
……との意見も上がりました。
もしも、結果的に負けたとしても、このメンバーであれば暗い空気にならなかったのではないでしょうか。
終了時の締めとして、苦瀬氏から「このゲームはみんなで一緒に動いて、相手に集団戦を仕掛けるのが有効なのです」など、次のオンライン対戦に向けた心構えやフィードバックが行われました。得意分野と役割を定め、同じ目標に向かって自律的に行動する。成功体験を積み上げる。こうしたことを楽しんでできるのも、eスポーツを社内レクとして運用する利点なのかもと思いました。
eスポーツを「社内レク」として開催する3つのメリット
ここからは、苦瀬氏と同じNTTe-Sports社に勤める水谷氏を迎えて、eスポーツを活用した社内レクについてお聞きしました。
社名にも表れているとおり、NTTe-Sports社は、eスポーツを事業の軸として地域循環型のまちづくりを実践している会社です。今回オンライン対戦を体験した「eXeField Akiba」や、さまざまなビルにある会議室/会議場などでのeスポーツイベントを多数開催する中で、ユーザーのお客さまから「eスポーツを社内レクとして使えないか」という問い合わせが寄せられるようになったそう。そうした経緯もあって、eスポーツイベントの企画・運営・サポートを丸ごと提供できる「eスポーツ×社内レクパッケージ」をリリースすることになったと水谷氏はいいます。
[写真左から、NTTe-Sports社の苦瀬氏・水谷氏ご両名]
近年の社内レクの課題として「若手社員の参加率が下がっていること」や「飲み会やボウリングなど、イベント内容が昔から代わり映えがないこと」を上げる企業が増えているそう。そんなお悩みの解決策としてeスポーツの活用を推進する水谷氏に、eスポーツを社内レクとして開催するメリットをまとめていただきました。
メリット1: 若手社員の受けがよく人材育成としても◎!
eスポーツは若い世代への訴求力が高く、若手社員の参加率の上昇が期待できます。実際、これまで「eスポーツ×社内レクパッケージ」を利用した企業からは「若い世代の参加率の高さに驚いた」「若手のイベント参加率が3割から4割上がった」という反響が寄せられています。「若手社員の離職防止につながる」「採用活動でイベントの様子をアピールして、企業イメージを変えていこうと考えている」などの声もいただいていて、人材の流動性が高まっている昨今、長く会社に勤めてもらうための「新たな楽しみ」として活用いただいているようです。「若手社員が企画検討を進め、リーダーシップを発揮する機会となった」という声もあり、社員育成の観点から新入社員研修として導入してくださる企業もいらっしゃるようです。
メリット2:地域や働く場所を選ばず幅広い社員を巻き込める!
オンラインの特性を活かして、全国に拠点を持つ大企業でも全社を巻き込んだイベントが開 催できます。かつてのゲーム世代でもある上層部も参加しやすく、幅広い社員交流が図れる のではないでしょうか。開催企業からは「eスポーツをトークテーマにした上司や部下のコミュニケーションが増えた」「これまで関わる機会がなかった全国の社員と交流ができた」といった声をいただいています。通常の社内レクのように会場1カ所に参加者を集めると、会場費や交通費・出張費といった手当などコストや稼働がかかりますが、それらの負担なく運用できる点もオススメポイントです。
メリット3:社内の親睦が深まり会社の一体感や人間関係を底上げ!
今回のように、チーム戦のeスポーツなら「チーム練習によるコミュニケーションの創出」や「部署を超えたコミュニケーション」が可能となります。業務中と業務外のコミュニケーションでは質が異なりますから、同僚や先輩・後輩の「業務中とは違う人となり」を知る手段として、eスポーツを用いたレクリエーションは有効だと考えています。人間関係を潤滑にすることは、業務の円滑化にも役立つでしょう。
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確かに、私たちも今回eスポーツを体験してみて、これらのメリットがよく分かりました。勝負が決まるゲームで勝てたという経験で、より楽しめたこともありますが、社内レクの1つの手段として、eスポーツイベントの開催をオススメしたいと感じました。
このあと、eスポーツイベントを企画する際のコツや、東京・大手町のオフィスビルで開催されたeスポーツイベントについてもお聞きしたのですが、それはまた次回、「社内活性化のための新しい社内レクリエーション「eスポーツ」のススメ」の後編でお伝えします。お楽しみに。